📈 テクニカル分析とは?
テクニカル分析とは、株価そのものや出来高(取引量)など、市場のデータをグラフ化した「チャート」を使って、今後の株価の動きを予測する手法です。
市場参加者の心理や行動が価格に反映されていると考え、「過去は繰り返される」という前提に基づいて分析を行います。
📜 ファンダメンタルズ分析との違い
| 分析手法 | 分析対象 | 目的 |
| テクニカル分析 | 株価チャート、出来高、移動平均線など | 売買のタイミングを計る |
| ファンダメンタルズ分析 | 企業の業績、財務状況、経済状況など | 株の本来の価値を評価する |
デイトレードのような短期売買では、主にテクニカル分析が使われます。
🕯️ Step 2:チャートの基本「ローソク足」の見方
テクニカル分析のすべての基本となるのが「ローソク足(Candlestick Chart)」です。ローソク足1本で、一定期間(1日、1週間、1時間など)の値動きを表現します。
1. 陽線(ようせん)と陰線(いんせん)
| 種類 | 意味 | 始値と終値の関係 |
| 陽線(白または赤) | 期間中に株価が上昇した | 始値(下)より終値(上)が高い |
| 陰線(黒または青) | 期間中に株価が下落した | 始値(上)より終値(下)が低い |
2. 四本値(しほんね)とヒゲ(Hige)
ローソク足1本には、以下の4つの価格情報が凝縮されています。
- 始値(はじめね):期間の最初に付いた価格
- 終値(おわりね):期間の最後に付いた価格
- 高値(たかね):期間中の最も高い価格
- 安値(やすね):期間中の最も安い価格
四角い部分を実体(じったい)、実体から伸びた細い線をヒゲ(または影)と呼びます。
- 上ヒゲ:実体と高値の間
- 下ヒゲ:実体と安値の間
長いヒゲは、その価格帯では買い圧力(下ヒゲ)または売り圧力(上ヒゲ)が強かったことを示し、市場参加者の心理を読み取る手がかりとなります。
🌊 Step 3:テクニカル指標の2つの分類
テクニカル指標には無数の種類がありますが、機能によって大きく2つに分類されます。
| 分類 | 特徴 | 適した相場 | 代表的な指標 |
| トレンド系 | 相場の方向性(トレンド)を分析する | 上昇・下降トレンド相場 | 移動平均線(MA)、ボリンジャーバンド |
| オシレーター系 | 買われ過ぎや売られ過ぎ(過熱感)を分析する | レンジ(横ばい)相場 | RSI、ストキャスティクス、MACD |
1. トレンド系指標の王様:移動平均線(MA)
移動平均線は、一定期間の株価の終値の平均値を線で結んだものです。株価のノイズ(短期的な乱高下)を取り除き、大まかなトレンドの方向を把握するために使われます。
- ゴールデンクロス(買いサイン):短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けること。
- デッドクロス(売りサイン):短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けること。
2. オシレーター系指標の代表:RSI(相対力指数)
RSI(Relative Strength Index)は、株価が買われ過ぎか売られ過ぎかを示す指標です。通常、0%から100%の間で表示されます。
- 70%以上:買われ過ぎ(そろそろ売りの検討)
- 30%以下:売られ過ぎ(そろそろ買いの検討)
📏 Step 4:最もシンプルな分析「トレンドライン」
テクニカル分析で最もシンプルで強力なツールの1つがトレンドラインです。チャート上に線を引くだけで、トレンドの方向や強さ、転換点を見極めることができます。
1. 上昇トレンド(サポートライン)
- 引き方:右肩上がりの相場で、2点以上の安値を結んで引きます。
- 役割:株価がこのラインに触れたときに反発し、下値支持線(サポートライン)として機能することが期待されます。ラインを割るとトレンド転換のサインです。
2. 下降トレンド(レジスタンスライン)
- 引き方:右肩下がりの相場で、2点以上の高値を結んで引きます。
- 役割:株価がこのラインに触れたときに反落し、上値抵抗線(レジスタンスライン)として機能することが期待されます。ラインを突破するとトレンド転換のサインです。
🔑 テクニカル分析の重要な心構え
テクニカル分析は非常に強力ですが、以下の2点を常に心に留めておきましょう。
- 「ダマシ」がある: テクニカル指標が示すサイン(例:ゴールデンクロス)が出たにもかかわらず、その通りに株価が動かないことを「ダマシ」と呼びます。100%当たる手法は存在しません。
- 複数の指標を組み合わせる: 1つの指標だけで判断せず、移動平均線でトレンドを確認し、RSIで過熱感を確認するなど、複数の指標を組み合わせて分析の精度を高めることが重要です。
まずはローソク足と移動平均線の基本をマスターし、実際のチャートでラインを引く練習から始めてみてください。

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