💰 含み益・含み損とは? 株の利益の基本の「キ」

株の取引における「利益」や「損失」には、2つの種類があります。

  1. 実現損益(確定損益):実際に株を売却し、利益や損失が確定したもの。
  2. 含み損益(評価損益):株をまだ売却しておらず、保有している株の現時点での評価額によって生じている利益や損失。

この2番目の「含み損益」こそが、今回のテーマである「含み益」と「含み損」です。

1. 含み益(ふくみえき)とは?

含み益とは、株の購入価格(取得価格)よりも現在の株価(時価)が高い状態のときに生じている利益のことです。

含み益 = 現在の株価 – 購入価格 > 0

  • 例: 1株1,000円で購入した株が、現在1,200円になっている場合、1株あたり200円の含み益がある状態です。

まだ売却していないため、この利益はあなたの手元には入っていません。将来株価が下がれば、含み益は消えてしまう可能性があります。

2. 含み損(ふくみぞん)とは?

含み損とは、株の購入価格(取得価格)よりも現在の株価(時価)が低い状態のときに生じている損失のことです。

含み損 =  現在の株価(時価) – 購入価格(取得価格) < 0

  • 例: 1株1,000円で購入した株が、現在800円になっている場合、1株あたり200円の含み損がある状態です。

これもまだ売却していないため、損失は確定していません。将来株価が購入価格まで戻れば、含み損は解消されます。


📈 確定損益と含み損益:何が違うの?

含み損益と確定損益の決定的な違いは、「売却したかどうか」です。

項目含み損益(評価損益)確定損益(実現損益)
状態株を保有中株を売却済み
利益/損失未確定(まだ手元にない)確定(手元に入った/失われた)
課税されないされる(利益が出た場合)

🚨 投資初心者が陥りやすい心理

多くの方が、この含み損益に感情を左右されてしまいます。

  • 含み益があるとき: 「もっと上がるかも」と売るのをためらい、結局株価が下がり利益を逃してしまう(利食い千人力という格言があるように、利益確定は重要)。
  • 含み損があるとき: 「損を確定したくない」と売るのを拒み、さらに株価が下落して大きな損失を抱えてしまう(損切りができない)。

含み損益は、あくまで「現時点での評価」であることを理解し、冷静に売買の判断をすることが大切です。


🔄 クロス取引と含み損益の関係

私たちが前回学んだクロス取引は、この含み損益を意図的に作り出し、相殺することで、優待の権利だけを安全に確保する手法です。

取引株価が上がった場合株価が下がった場合
現物買い含み益が発生含み損が発生
信用売り含み損が発生含み益が発生
合計含み益と含み損が相殺含み益と含み損が相殺

権利落ち日をまたいだわずか1〜2日の間、この「現物買いの含み損益」と「信用売りの含み損益」が完全に打ち消し合う状態を意図的に作り出すことで、株価変動の影響を受けずに優待だけを確保できるわけです。

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